トンガ火山噴火で寒冷化!?トンガ大噴火による冷夏・寒冷化の影響

トンガ沖で発生した海底火山の大噴火

2022年1月15日。南太平洋のトンガの沖合にある海底火山が大噴火。
この噴火で発生した衝撃波は地球を一周し、約8000キロ離れた日本にも津波が到達、気圧変動は全世界で確認されました。

今回の爆発は「TNT火薬約3000万トン相当」とされ、1980年の米セントヘレンズ山の大噴火(2400万トン)を上回る大噴火とされ、

噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI、0~8の9段階で8が最大)は、上から3番目に大きい火山爆発指数 6 に当たるとみられており、100年に一度と表現してもいいような大噴火でした。

噴火のメカニズムに詳しい東京大学の藤井敏嗣 名誉教授は
世界で見ると、数十年に1回、あるいは100年に数回の規模の噴火だ。正確には今後の調査が必要だが、経験的には、数立方キロから10立方キロくらいの噴出物が出たのではないか。1991年にフィリピンで起きた20世紀最大級の噴火とされるピナツボ火山の噴火に匹敵するか、やや小さい噴火だったと考えられる。

NHK トンガ 大規模噴火と津波 何が起きたのかに迫る
トンガの海底火山 大噴火の瞬間
トンガ 海底火山の噴火の瞬間

トンガ海底火山の大噴火による寒冷化・冷夏の影響

突然の海底火山の大噴火によって、トンガ周辺の島々では津波や火山灰による甚大な被害が出ていますが、今回の海底火山の大噴火は、もっと大きな世界的で長期にわたる影響を我々に及ぼす可能性を持っています。

それは 地球の寒冷化です。

1991年にフィリピンで起きたピナツボ火山の大噴火では、噴煙は高度1万3000m以上に及び、今回のトンガ沖海底火山の噴火と同規模程度とされています。ピナツボ火山の火山爆発指数は6です。

このピナツボ火山の大噴火の際、成層圏にまで拡散した火山灰の粒子が地球をゆっくりと覆い太陽光が遮られたために、地球の平均気温が0.5度ほど下がり、数年に渡り地球全体に影響を及ぼしました。

そして、ピナツボ火山噴火から2年後の1993年、日本は記録的な冷夏に襲われます。

異常な冷夏のために日本中で米や野菜が不作となり、米の収穫量が3割も減少。「平成の米騒動」とまで言われた全国的な米不足に陥りました。

お米の買い占めと供給不足が各地で起こり、この時は特別措置としてタイ米を緊急輸入するなど、日本中を巻き込む大きな騒動になりました。

1993年の記録的な冷夏
1993年 記録的な冷夏



過去の火山噴火による寒冷化の事例

火山の大噴火による大きな寒冷化は、実近の過去300年の間に3回も発生しています。

1991年のフィリピン・ピナツボ火山の他にも…

1815年のインドネシア・タンボラ火山の大噴火(火山爆発指数VEI 7)でも、北半球が激しい冷夏となっています。
平均気温は例年より4度近くも低下したと言われ、北米では6月に雪が降る寒波となり、8月でも霜が降りる異常な寒冷化のために北米の農作物は壊滅的な大打撃を受けました。

また、1783年のアイスランドのラキ火山の大噴火(火山爆発指数VEI 6)は地球全体に数年間に及ぶ寒冷化を引き起こしたと言われています。

ヨーロッパでは数年に及ぶ農作物の凶作と飢饉が続き、多くの農民や市民が餓えて社会への不満を募らせ、フランス革命(1789年)の遠因になったとも言われています。
この寒冷化は日本でも農作物の不作をもたらし、天明の大飢饉(1782年〜1788年)→ 寛政の改革という歴史の土壌にもなっています。

大きな火山の大噴火は、噴火直後の直接的な被害だけでなく、
長期的な影響として「寒冷化→農作物の不作→食料不足」という形でこれまでも人間の歴史に大きな影響を与えて来ました。

今回のトンガ沖の海底火山の爆発でも噴煙は成層圏にまで達し、半径300キロ四方に広がったとみられています。

爆発規模の大きさはかつて寒冷化を招いた大噴火に劣らない規模ですが、海底火山というこれまでとは少し異なる火山の噴火なので、どこまで長期的な影響が出るのか不確定でわからない要素が多いですが、数年の間は一時的な寒冷化の可能性が存在します。


温暖化をあれほど心配していた世界に今度は寒冷化リスクの可能性が襲っている… 3.11もコロナ禍もそうですが、本当に何が起きるかわからない、想像もしていないことが突然起こり得る。

過剰に恐れることなく、その一方で、万が一に備えた準備はしっかりとしておく。過去の教訓から学び活かして行ければいいなと思います。

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